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山形県寒河江市西根1丁目

2012/03/29取材

 

昔、村山盆地は『藻が湖(もがうみ)』という大きな湖だったという。その頃は、この地と、東根の貴船川右岸の貴船神社は、共に舟着の場所であり、舟の往来が盛んだったと云う。この地には、高さ30mもある大ケヤキがあり、東根からの舟はその大ケヤキを目標に航海していた。大ケヤキには何時も沢山の小船が繫がれ、運ばれた荷物はここで荷揚げされたという。東側の「木の下」の地名は、その大ケヤキに由来するとされる。

この地にの近くの君田町には、大江氏の一族の君田孫九郎元春が居しており、君田殿と呼ばれていた。その頃、この地の大ケヤキは大風で倒れてしまったが、元春が他界すると、この地に埋葬し、その遺徳を偲び、倒れたケヤキを用いて観音堂を建立し、また一部を使って京都の仏師に「千手観音像」を彫ってもらい本尊として祀ったという。