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山形県寒河江市柴橋字落衣

震災前取材

 

別名:落裳観音堂

この、寒河江市柴橋の地に、最上三十三観音第十五番札所の落衣(おとも)観音 堂がある。本尊は十一面観音で作者は不明。

この地には、次のような伝説が伝えられる。

小野小町が京の都から、出羽の霊場である大沼の浮島に参詣した。そのとき天女が飛び来たり、紫の雲の間から羽衣をおとした。見ると、その羽衣の上には十一面観音が立っていた。小町は不思議に思い、里の人々を説いて一堂を建て、自分の守護仏の十一面観音を安置し、天女のおとした羽衣と七宝の念珠を奉納して霊場としたと伝える。

また一説には、小町は年をとってから法衣をまとって諸国を巡り、この土地に来て、その法衣を添えて守護仏の十一面観音を納めたのが始まりとも伝えられる。

小野小町が開いた観音堂であることを聞き、参詣者が沢山集まってきたところから京集山と呼ぶようになり、天女が羽衣をおとしたということから、地名を落衣(おとも)と呼ぶようになった。かつては落衣千軒と称して、たくさんの寺院もあったが、江戸時代中ごろ、現在地に移ったと云う。

この観音は、養蚕安全の霊験あらたかであるため、現在も養蚕家からの信仰があつい。

2 thoughts on “落衣観音堂

  1. 落衣(おとも)観音を知りたいと思って検索していましたら、素晴らしい説明がありました。その他にも みちのく の写真、説明が沢山あり、びっくりしています。感謝します。

    1. 気付くのが遅くなり返事が今になりました。なにせ東北地方全体、古代から現代まで間口を広げすぎて、自分でもあきれています。現在は、動画で伝承をストーリーにする試みを行っています。

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