2013/08/20

 

歴史散策⇒禅林街長勝寺

今回の弘前訪問の大きな目的の一つが、禅林街と長勝寺の津軽信牧と満天姫廟の訪問だった。しかし、禅林街に向かっている途中、突然の豪雨にみまわれた。滝の中を進むような豪雨で、車のワイパーも効かず、危険を感じコンビニの駐車場に入った。PCで、弘前地方の雲の動きをチェックすると、強い雨雲は1時間ほどで通り過ぎるようだ。

朝食には丁度良い時間帯なので、前日に買っておいた牛乳とパンの朝食をとりながら雨宿りをした。ここ何日かの間、ニュースではあちこちでの豪雨被害を報じていたが、幸いなことに今回の旅では豪雨にあったのはこれが初めてだった。小降りになるとすぐに禅林街に車を向けた。

禅林街は、津軽藩の城下町を守る城砦の役割を持った寺町だ。豪雨のすぐ後だったが雲は切れて光がさす中、杉並木が美しい。車を駐車スペースに停めて壮大な楼門をくぐり長勝寺境内に入った。本堂も庫裏も国の重要文化財になっているはずで、誠に見事だ。庫裏の方を見ると小さな張り紙があり、拝観料が必要らしい。

拝観料300円なりを払うと、驚いたことに、私ともう1名のためだけに、寺の若和尚さんが庫裏や本堂内部、境内を案内していただいた。それも懇切丁寧な説明付である。この若和尚さんよく勉強しており、私の様々な質問にも的確に答えていただいた。

この長勝寺は、津軽家の菩提寺であったために、一般の檀家はなく、明治以後、津軽家の庇護を失い大変困窮したという。堂塔は荒れ放題になり、案内していただいた千体仏も、一体何がしかの寄付を得るための「方便」だったという話まで教えていただいた。

しかし禅林街の中心にあり津軽家の菩提寺でもある長勝寺は、弘前藩の中心的な寺院である。多くの方々が手を差し伸べたようで、現在は国の重要文化財となり、本堂や庫裏は解体修繕を行い、かつての美しい姿を取り戻している。

小一時間ほども案内いただき、面白い話を聞かせていただいた後に、水溜りで先に進めなかった津軽二代藩主信牧、満天姫夫妻の廟の写真を撮らせていただくことにして、境内の奥の廟所に向った。