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山形県南陽市二色根

震災前取材

 

南陽市の薬師寺は、古くから赤湯温泉の湯神として尊信されてきた古刹で、天台宗比叡山延暦寺の末寺となっている。

薬師堂は、天安2年(858)4月に、慈覚大師により創建されたもの。

大師が東北地方を巡錫した際にこの地を訪れたところ、深い森の中から清らかな鈴の音が聞こえてきた。不思議に思った大師は、山のほうに足を向け、昼なお暗い深い森に入っていったところ、巨木の根本に、光り輝くものを見つけた。それを掘り起こしてみると、淡い青色と赤い色の二色の色を放つ石仏薬師如来だった。大師はその薬師如来を祀り、七日間、衆生安楽国土安穏を祈願したという。

その後、この地は誰言うともなく「二色根」と呼ぶようになったと云う。