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山形県鶴岡市羽黒町手向字手向…黄金堂境内

震災前取材

手向の黄金堂の境内に、お竹さんを祀る大日堂がある。

お竹さんは庄内から江戸に出て、日本橋大傳馬町佐久間勘解由家で女中として働いた。お竹さんは、心優しく、情け深く、かげ日向なくまじめに働き、人の悪口を言うこともなかった。佐久間家に長く仕え、晩年には家事一切を任され、その優しい心根から、仏様の化身ではないかとさえ言われていた。

お竹さんは 寛永15年(1638)三月、享年58歳で亡くなった。佐久間家ではこれを大層なげき悲しみ、お竹さまの木像を彫刻し佐久間家の護り本尊としてお祀りした。そして寛文6年(1666)に、故郷庄内の黄金堂境内にお竹大日堂を建立しお竹さんを祀り、お竹さんを 広く知らせんとしたという。

後に 五代将軍生母の桂昌院が、お竹さんの女中姿の木像を芝増上寺山内心光院に祀り、奥女中にも信仰させたことから、お竹さん信仰が江戸で盛んになった。