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秋田県にかほ市象潟町小砂川字三崎

震災前取材

 

三崎峠は遊佐町の北北西、山形と秋田の県境にあたる。鳥海山の溶岩が海に突き出た地形で、海に落ち込む断崖上を通る岩場の、羽州街道最大の難所である。しかし、羽州街道は日本海側の主要街道であったために、多くの旅人がこの峠を越えている。交通の要衝にもあたり、難所であったことからか、多くの伝説も残り、また、戊辰戦争における激戦地の一つにもなっている。

芭蕉と曾良は、元禄2年(1689)6月16日(陽暦8月1日)、前日の大雨を吹浦で過ごし、翌朝いまだ止まない雨の中をここを越えて象潟に向かっていった。また、その帰り道には快晴の中を再びこの峠を越えて酒田に向かった。

現在この地は、三崎公園として整備され、旧羽州街道の跡が随所に残る。また一里塚跡や伝説を今に残す大師堂、戊辰戦争の供養塔や顕彰碑がある。