スポンサーリンク

秋田県由利本荘市町村字木戸口…瑞光寺

震災前取材

 

瑞光寺には、万箇将軍の墓と呼ばれている塚があり、次のような伝説が伝えられる。

聖武天皇の頃、唐の皇帝の命により、万箇将軍が使節として、朝廷に水のかわかない奇硯と、不思議な美しい玉を献上するために海を渡った。しかし途中、暴風雨にあい、乗っていた船は難破し、由利の「有耶無耶の関」付近に漂着した。

このとき、将軍の持ってきた宝物が光り輝き、紫色の雲がたなびき、将軍たち一行をこの瑞光寺に導いた。しかし将軍は、長旅の疲れで病に倒れ、亡くなる前に、瑞光寺の住職呉竹和尚に宝物を朝廷に届けることを頼み息を引き取った。

呉竹和尚はその遺言を守り、都に上り宝物を光明皇后に献上した。大役を果たし寺に戻った和尚は、将軍の墓前に報告し、万箇将軍の塚を建てて供養したと云う。

享保18年(1733)5月には、瑞光寺で万箇将軍の千年忌が行われた。