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山形県鮭川村大字庭月
2012/07/06取材
この庭月観音堂境内を中心とした遺跡は、昭和63年(1988)に発見された、縄文時代中期の配石遺構である。境内各所から発見されており、この一帯は、原始の祭祀場的性格を持つ特殊な配石遺構と推定されている。
遺構は、石棒を中心に不整形ながら円形に河原石を組んだ構造をもち、組石は五群からなり、各郡とも異なった特色を持っている。遺構中からは縄文中期の土器、石器が出土し、円形組石の中には、臨時的な炉と思われるものもあり、また同層面に木炭片が広く散在している。
この配石群でもっとも特異なのは第一群で、直径1.6mの円内に、立石を中心に大小の河原石を約50個、中高に固く組み込み、下に何者かを封じ込めた形をとっている。それと第二群に石囲をして、中にきれいな円形磨石を入れ、上に大石を置いて封じたようなものもあり、一種の呪術的な様相が伺われる。