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山形県鶴岡市湯田川

2012/03/30取材

 

湯田川温泉の守り神である「由豆佐売(ゆずさめ)神社」は、白雉元年(650)の創建とされ、古書「三代実録」や延喜5年に起草された式内社である。

歴代領主をはじめ、近郷庶民の崇敬厚く、最上義光、庄内藩主の酒井氏などからも多くの寄進をえている。現在の拝殿は、安永年間(1772~81)の造営で、昔は観音堂として、十一面観音を祀り、社名も滝蔵権現と称した。神仏習合時代の密教寺院に多く見られる平面構造になっている。本殿は、明治15年()に造営された。石段の参道には、県指定天然記念物の乳房状の気根のある乳イチョウの巨木がそびえている。

毎年4月30日には宵祭、5月1日には本祭を行い、湯田川温泉街を神輿の行列が練り歩き、子供たちによる大和舞や御子舞が奉納される。

 

なお湯田川温泉は、小説家の藤沢周平と縁が深く、この地で山田洋次監督による映画「たそがれ清兵衛」のロケーションが行われた。宮沢りえ扮する朋江と、清兵衛の子供たちが一緒に祭りを楽しむシーンで、その中の ひょっとこ踊りの滑稽な里かぐらは、江戸時代から湯田川温泉に伝わる「湯田川神楽」で、毎年土用の丑の日に上演されている。