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山形県天童市五日町二丁目

震災前取材

 

明治11年(1878)に郡制が布かれたことに伴い、東村山郡役所として建てられたもので、翌年の10月に落成した。

現在、山形県の明治の洋風建築としては、最も古い時期のものに属している。明治14年(1881)9月には、明治天皇東北巡幸の行在所として使用された。

創建当初は3階に塔屋をもつ瓦葺、漆喰壁の建築だったが、明治32年(1899)以前に2階建てに改造されたと思われる。

玄関ポーチとベランダ部に八角柱、柱頭、勾欄、柱上の壁の彫刻、入口上部のステンドグラスなど、素朴ではあるが、明治初期の手法を伝え、意匠的にも優れている。

大正12年(1923)の郡制廃止により、大正15年(1926)に郡役所が廃止されると、郡農会、天童町役場、天童市役所、市立図書館として使用された。昭和60年(1985)、解体修理が行われ、創建当初の姿によみがえった。