震災前取材

岩手県陸前高田市米崎町字高畑

 

陸前高田の箱根山は、昔女人禁制の霊山だった。いつの頃か、この地に母と娘の親子がやって来た。この娘の父親は修験者で、長いこと箱根山に登って修業に励んでいた。

ところが、父を慕う気持ちが日増しにつのり、村人が止めるのも聞かず、とうとう禁を犯して箱根山に登っていった。

それからどれほどの時がたったろうか、突然山の上の方から、木々を折り、草をなぎ倒しながら、二つの石が転げ落ちて来た。そしてこの母娘はついに戻ってくることはなかった。

村人達は、この後、この石は母娘の変わり果てた姿であろうと囁きあったという。大きい石は「姥」に似ていることから「姥石」と呼ばれ、他の一つは「箕」に似ていることから「箕石」と呼ばれるようになった。

村人達は姥石のところに小さな祠を建てて祀り「親は姥石、娘は箕石」と呼び、伝説を今に伝えている。

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