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福島県桧枝岐村居平

震災前取材

  • 疱瘡神
桧枝岐歌舞伎で有名な桧枝岐舞台の観客席の奥にこの「疱瘡神」が祀られている。

元禄9年(1696)の秋に、この地の次郎助という子が疱瘡にかかった。当時の疱瘡は、死亡率が高く強い感染力を持ち、全身に膿疱を生じ、治癒してもあばたを残すことから大変恐れられていた。

次郎助は高熱を発し意識がなくなったが、乗り移った疱瘡神が次郎助を通して村人達にお告げを告げた。

「吾、信濃の善光寺の境内に住みおりしが、盗人に火を付けられ、住むところなく七年の間各所をまわりこの地に至った。この地は山川の眺め清く、民の心も良く、住み良き所なれば、吾、この地に住まい民の心の守神とならん。社を建つべし」

村人はこのお告げの通り社を建てて疱瘡神を祀り日夜崇めた。その後は疱瘡が流行っても軽くすみ、村は栄えたと云う。