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福島県桧枝岐村居平

震災前取材

  • 鳥居と桧枝岐舞台
この桧枝岐舞台は、駒岳神社の境内にあり、江戸時代に建築された。しかし明治26年(1893)、村に大火がありそのとき焼失し、現在の建物は明治30年代に再建された ものである。

舞台は、上部に破風があり、前面には廂がある切妻造で、この地方独特の造りで「兜造」と呼ばれる。舞台中央は、固定式二重になっており、二重の前後には唐紙を入れることができる。また観客席は露天で、舞台を囲むように三方に石段が設けられている。

農村舞台の典型として、南会津町の「大桃の舞台」とともに、昭和51年(1976)、国の重要有形民俗文化財に指定されている。

この地に伝えられる「桧枝岐歌舞伎」は、江戸時代の寛政、文化年間頃に伝えられたものと思われる。娯楽の乏しい山間の地に、祭礼の奉納歌舞伎として、親から子、子から孫へと伝承されて連綿と続いてきた。

今も毎年、5月、8月、9月に演じられており、福島県の重要無形民俗文化財に指定されている。