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福島県柳津町柳津字門前町甲

震災前取材

  • 奥ノ院弁天堂
奥ノ院弁天堂は、室町期の典型的な禅宗風お堂で、国の重要文化財に指定されている。この堂は、大同2年(807)、円蔵寺の奥ノ院として、徳一大師が開創した。

後に、圓蔵寺歴代住職の隠居寺になる寺格を倶えるようになり、明治中頃迄、圓蔵寺と同じく改宗を繰り返し、盛衰を共に歩んできた。現在は、円蔵寺とは別に一寺を形成している。

現在の堂宇は、室町時代の応永4年(1397)の建築で、禅宗様(唐様)仏殿の特色を持つ。屋根は茅葺きで、出が深く勾配ゆるやかに、四方に扉を配し、窓は釣鐘窓で、仏壇を真ん中に設けている。

柳津は、只見川と銀山川の合流点にあり、昔から水難に遭うことがしばしあった。このため、弁財、福智、延寿、除災、得勝をつかさどる弁財天が祀られたものと考えられる。堂宇には弁財天が安置され、芸能上達、安産子育、福徳円満、子孫繁栄、五穀豊穣にご利益があるとされ、現在も厚く信仰されている。