福島県下郷町弥五島字下タ林

震災前取材

  • 塔のへつり案内板
塔のへつりは、福島県南会津郡下郷町にある大川ライン一番の景勝地である。およそ百万年の歳月をかけて、浸食と風化が繰り返されこの景観が創られた。河食地形の奇形を呈する好例として、昭和18年(1943)、国の天然記念物に指定されている。

「へつり」 とは会津の方言で、川に迫った険しい断崖のことをさし、一帯は第三系凝灰岩、凝灰角礫岩、頁岩などが互い違いになっており、その軟岩部が長年の歳月による浸食と風化の作用によって全長200mにわたって、大規模な奇岩が整列している。主なものには名がつけてあり、屏風岩、烏帽子岩、護摩塔岩、九輪塔岩、櫓塔岩、獅子塔岩、鷲塔岩などがあり、吊橋をわたって奇岩を巡ることができる。

かつてはこの下郷の地は、関東地方と会津若松を結ぶ主要街道が通っていた地であり、多くの旅人が行き交った。その街道沿いのこの地を通る古の旅人たちは、この景勝の地で休息し、石塔に手を合わせたのだろう。また、断崖の中腹の通路状の岩窟には、いたるところに小石がつまれ、古の祈りが現代にも継がれているのだろう。

橋を渡ったところから崖の上に登ることが出来、そこには洞穴状の窪みがあり、虚空蔵菩薩を祀った祠がある。大同2年(807)、坂上田村麻呂が東征の折に建立したと云う。

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