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福島県白河市南湖…南湖公園内

  • 共楽亭
 

共楽亭は、南湖公園の北側中央にあり、東に関山、西に那須連峰を望む鏡山の丘腹にある。

白河藩主松平定信は、享和元年(1801)頃、荒れた沼沢地を開発し「南湖」を造園し、この地にこの共楽亭を設けた。

木羽葺、寄棟造りで、八畳二室よりなる。通常の茶室よりも広く、多くの者と茶を楽しむためと伝えられる。また、この二室には鴨居や敷居がなく、ここでは身分差なく語り合うという定信の考えによったと伝えられる。

定信は、江戸時代の儒学者貝原益軒の影響を受け、「他人が楽しんでこそ、自分も楽しめる」と考え、これを具体化したのが、士民に開放した南湖公園であり、この共楽亭だった。定信は、ここで孫をひざに抱き、一緒に遊んだという記録も残っている。

定信がこよなく愛したというこの茶亭からの眺望は、現在もほぼそのまま残っている。

山水の 高きひききも 隔てなく 共に楽しき まどいすらしも (定信)