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福島県南相馬市原町区牛来字出口

 

南相馬市の雲雀ヶ原は相馬野馬追の祭場地になっており、太田神社、小高神社、中村神社の三社の飛地境内になっている。この地では、毎年7月に、宵乗祭と野馬追祭が行われるが、その他、春季と秋季に野馬追振興競馬が行われる。

相馬野馬追は、旧相馬藩領で、毎年7月23日・24日・25日の3日間開催される神事で、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

その始まりは、相馬氏の遠祖の平将門が、領内の下総国相馬郡小金原に野生馬を放し、それを敵に見立てて軍事訓練をした事に始まると言われている。鎌倉時代、幕府はこのような軍事訓練は禁止していたが、この野馬追は神事ということで続けられた。陸奥相馬氏は、この将門の伝統を継承し、捕えた馬を神への捧げ物として、相馬家の守護神である「妙見」に奉納した。これが現在、小高神社で野馬追の最終日に行われる「野馬懸」に継承されている。

一日目
相馬市の中村神社、南相馬市の太田神社、小高神社からそれぞれ出陣し、一路雲雀ヶ原に向け進軍する。

二日目
南相馬原町で騎馬約500騎の行進の後、雲雀ヶ原にて古式甲冑競馬、及び神旗争奪戦が繰り広げられる。これは明治時代以降の祭事である。その後、宇多郷、北郷、小高郷、標葉郷では帰り馬と呼ばれる騎馬行進が行われる。

三日目
小高神社では野馬懸が行われる。これは騎馬武者が裸馬を小高神社境内に設けられた竹矢来に追い込むもので、本来は雲雀ヶ原から小高神社までの野馬道を用いた。追い込み後は、御小人なる者が素手で捕え、小高神社に奉納する。昔は、この奉納された以外の馬は、馬喰(ばくろう)によりセリが行われた。