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福島県南相馬市原町区上渋佐字原畑

 

桜井古墳は、古墳時代前期の前方後方墳である。前方後方墳としては、郡山市の大安場古墳や山形県川西町の天神森古墳などとともに、東北地方有数の規模を持つ。

この古墳は、南相馬市原町の中心市街の北東に位置し、新田川南岸の標高10メートルの台地に立地する。この桜井古墳を中心に、河岸段丘上の東西約900メートルの範囲にわたり古墳群が広がり、大小37基の古墳が確認されている。

調査の結果、主軸の長さは74.5m、高さは6.8mの規模で、現在では、東北地方第4位の規模をもつ前方後方墳である。撥形の前方部は幅27m、高さ4.5mの無段築成、後方部は一辺45mの矩形で三段築成で造られており周溝をともなっている。

葺石や埴輪は出土しなかったが、後方部の頂上には埋葬施設として2基の割竹形木棺が並べられて安置されていたと思われる。

同じ福島県の会津地方では、前方後円墳が多く、出土品などから北陸地方の影響が考えられるが、中通り地方および浜通り地方では前方後方墳が多く見られ、下野や常陸との濃密な関係が考えられる。