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福島県相馬市小泉字根岸
相馬の市街地の北方に連なる丘陵小泉山はかつては北山と呼ばれ、慶長年間(1596~1615)、中村城築城以降、京都の東山になぞらえ、20余の神社仏閣が東西につらなる中村城北第一の名勝地だった。相馬昌胤は、中村城の鬼門除けとして、天和、貞享、元禄ごろ、牛頭天王を建てるなどして北山の整備につとめた。
古くは小泉八景と称し、
閑庭の夜雨 五智の秋月 東所Eの帰帆 古寺の晩鐘
城市の晴嵐 竹林の夕照 南扶の落雁 遠山の暮雪
などが見える。
その後、天明の飢饉などでこれらは急速に衰微してしまった。城北八景とも呼ばれ、現在、かつての北山八景は、熊野神社境内、寛徳寺跡、あるいは慶徳寺寺域に昔の名残りをわずかにとどめ、最盛期の文化のあとをしのばせている。