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秋田県湯沢市小野字桐木田

震災前取材

 

小野小町は平安時代の歌人の1人で、六歌仙、三十六歌仙の1人に数えられている。また容姿端麗で、日本の美人の代表的な存在である。

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

小野小町伝説は、全国いたるところにあり、特に地名が「小野」の地に多く残る。この湯沢市小野の地は、小町の生誕、及び終焉の地とされ、周辺には多くの小野小町の伝承や伝説の地が密集している。

出羽郡司小野良実は、大同2年(807)に赴任し、この福富荘に館を構えた。この地には、当時この土地では珍しい桐の木が生えていたので桐ノ木田館と呼ばれていた。

良実は、任地を巡回しているとき、大きな屋敷の前で芍薬の花を摘んでいた村長の娘の大町子を見初め、大同4年(809)、この地で小野小町が生まれたと伝えられる。

この地には古い井戸が今も残り、この井戸は小町が産湯を使った井戸と伝えられ保存されてきた。館跡に残ったこの井戸は、上から見ると自然石が五角形に組まれ、このような造りはこの地方では用いられず、当時の都を中心に作られた形だと云う。