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宮城県色麻町清水字西原南

震災前取材

色麻町の北西部に清水という地区があり、その中心地に清水(きよみず)寺がある。

坂上田村麻呂は、桓武天皇の命により、蝦夷征討のため征夷大将軍として下向し、諸所を転戦し平定の任にあたっていた。田村麻呂は、甲冑やもとどりの中に守り本尊として千手観世音菩薩と毘沙門天を納めていたが、蝦夷を征討の後に、堂塔を造営し、守り本尊を安置した。京都に戻った後、京都音羽山清水寺の良弁僧正を色麻の地に遣わし、延暦17年(498)開山した。

この千手観音は子育て観音としても有名である。あるとき、田村麻呂が妊娠していた妻の高子のために鹿を獲ったが、高子はこの殺生を悔い、仏閣を造ろうと山に入り道に迷ってしまった。このとき、鹿の胎内にいた子鹿が高子を助けてくれたと云い、この子鹿は観音菩薩の使いであったという。この伝説から、子育て観音としても、参詣者が跡を絶たないという。