宮城県栗原市鶯沢南郷

2012/11/13取材

 

これらの住宅は、細倉鉱山の役員住宅として使用されていたもので、映画「東京タワー」のロケ地としても使われ、その後保存されていたが、平成23年(2011)の東日本大震災の震度7の揺れで大きな被害を受けて、平成25年(2013)12月、解体された。

細倉鉱山は、鉛、亜鉛、硫化鉄鉱を主に産出した鉱山で、大同年間(806~10)に発見され、伊達政宗の時代には銀山として採掘されていた。

昭和9年(1934)、三菱鉱業が細倉鉱山の経営権を獲得して本格的開発に乗り出し、日本を代表する鉛、亜鉛の鉱山へと成長し、戦後は日本有数の鉱山として最盛期を迎えた。

これらの木造住宅は、1930年代に建てられたものだが、1970年代以降、円高による競争力の低下やオイルショックなどによる不況の影響で、細倉鉱山は昭和62年(1987)に閉山となり、この佐野住宅は放置されていた。

その後、解体する話が出ていたところに平成16年(2007)公開された映画「東京タワー」のロケで使用する事となり、その後観光地として保存されていた。この佐野住宅の特徴は、雑貨店なども含めた、地域全体が保存されていたことで、それは昭和初期の生活空間そのものが保存されていたことだ。

しかし、この地は、平成17年(2008)の岩手内陸地震では震度6強、そして平成23年(2011)の東日本大震災では震度7を記録し、これらの建物は倒壊こそ免れたが、被害は大きかった。

地元自治体は、観光客の安全が確保できいないとして、一般公開は中止となり、解体が検討されていたが、平成25年(2013)12月、ついに解体され、なつかしい風景が一つ消滅した。

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