岩手県田野畑村机

2017/03/12取材

 

「北山崎」の南に位置する机浜の、断崖に囲まれた小さな漁港には、昭和期の漁村風景を思わせる25棟の木造番屋が残されていた。

しかし平成23年(2011)3月の東日本大震災による大津波が三陸沿岸全域を襲い、この地の番屋群も一瞬にして呑み込まれたが、幸いにもこの場所での犠牲者はなかった。

その後の平成26年(2014)10月、村の水産と観光の復興シンボルとして、かつてあった番屋群の姿で復元された。

この地はこれまで幾度か津波に襲われ、番屋はその都度再築されてきた。昭和8年(1933)の三陸大津波以降も少しずつ再築され、昭和30年代までは塩づくり、50年代頃までは海産物の保管や漁具の収納場所として、また浜作業や寝泊まりの場として盛んに使われていた。

近年は、沿岸で撮れる魚介類を使っての浜料理を提供する場所としても使われ、三陸観光の一端を担っていた。