岩手県譜代村第7地割

2012/04/01取材

譜代浜は、普代川河口の赤松に囲まれた砂浜の海岸である。ハマナス、月見草の大群落があり、季節には一面の花園となる。北三陸では珍しい砂浜で、震災前はこの地では格好の海水浴場になっていた。

集落から譜代浜までの約1.5kmは、譜代川が流れる険しい谷になっている。河口から300mの地点に高さ15.5m、幅205mの譜代水門が築かれている。

かつてこの地は度々津波に襲われた。明治の三陸大津波では15mの津波に襲われ、1000人もの命が奪われた。この水門の計画が示されたとき、当時の和山村長は、三陸大津波の言い伝えが頭から離れず、県から反対されても、その高さを15m以上にすることを頑なに主張した。

平成23年(2011)の大震災による津波はこの地を襲い、水門を乗り越え河口から800m上流まで遡ったが水門は破られることなく、津波の威力は大幅に減衰し、町の200m手前で止まり、住宅の被害は免れ住民の命も守られた。