岩手県一関市千厩町千厩字石堂

震災前取材

 

弓手川の激流は、土砂を浸食し、この地に花崗岩からなる、巨大な男女両性の象徴を奇しくも出現させた。神道も仏教もない時代、この自然の造形に、人々は崇敬の念を持って神として祀った。

雄然たる龍頭は烈強なる陽茎に支えられ、天地正大の気、この地に発する観あり、この男石の後ろの女石は豊満にして慎ましやかで、この男女一対の、赤裸々な巨大な自然の造形は、全国的にも稀有なものである。