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福島県猪苗代町見禰

この地の大石は、明治21年(1888)、磐梯山爆発の際、山上の火口にあった輝石安山岩の一巨塊が、爆発火口から南方に越流した火山泥流にのって、この地まで運ばれたもので、山上から直線距離約5kmにある。

石の大きさは、長さ9.39m、幅6.0m、高さ3.03mの巨石である。火山泥流が予想以上の巨石を運んだことを示す学術上貴重な参考資料として、昭和16年(1941)、国の天然記念物に指定された。

磐梯山は、大同元年(806)の噴火までは、2,000m以上の富士山型の山だったと云う。明治21年(1888)、水蒸気爆発による噴火で、小磐梯が山体崩壊を起こし、発生した爆風と岩屑なだれにより、北麓の5村11集落が埋没し、477人の死者を出した。この噴火は明治になってからの近代日本初の大災害となった。

このときの土石流や火山泥流により川がせき止められ、桧原湖、小野川湖、秋元湖、五色沼をはじめ、大小さまざまな湖沼が形成された。