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福島県桑折町陣屋

 

桑折周辺の信達地方は、江戸時代に入ると米沢上杉氏領となった。しかし寛文4年(1664)に上杉藩の所領が半減されたことにより幕領へと移り、幕府代官所が福島に置かれた。その後信達地方は、一時堀田氏の福島入部に伴い、他の幕領を治めるため、貞享2年(1685)に幕府代官所として桑折陣屋が設置された。

元禄13年(1700)、松平忠恒が二万石で桑折藩を開き陣屋を使用したが、松平氏は参勤交代をせず江戸に常在する定府であったため、桑折陣屋には代官が派遣されこの地を治めた。松平氏は、三代忠暁のときの寛延元年(1748)、上野篠塚に転封になった。

この転封は、この地方の半田に有望な銀山が発見され、これを幕領とするためだったとされ、佐渡奉行の支配下に置かれた。このころ描かれた絵図によると、陣屋には銀山関連の施設があったことが窺える。その後、明治元年に新政府に引き渡されるまで代官が派遣されていた。その間陣屋は、寛延一揆に囲まれたりしたが、この地方の中心として民政や銀山開発などの治世の場となった。