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福島県いわき市小名浜字住吉

 

住吉館は、独立丘陵上に築かれた山城で、東西約250m、南北約100m、比高はおよそ20mほどで、東西2つの郭からなる。周囲を断崖と急斜面で囲まれた要害の地にある。西郭が主郭と考えられ、現在は公園化されている。東西約60m、南北約40mほどの平場になっており、鞍部からの登り口部分が内枡形状に窪んでおり、平場北側に土塁が残る。東郭は東西約40m、南北約30mほどの平場があり、西側に土塁が残る。

築城時期等、詳細については不明であるが、岩城判官平政氏が築城し、滝尻城からこの城に移ったと伝えられている。平政氏は、平将門の後裔と云われ、「安寿と厨子王」の父、あるいは祖父とも伝えられる。

この城は岩城四十八館の一つに数えられ、岩崎隆安の三男の隆頼が住吉殿と呼ばれていたようで、岩崎氏の支城であったとも思われる。応永17年(1410)、岩城氏六代岩城隆綱は、島倉山館の岩崎氏の勢力拡大に脅威を抱き、岩崎氏を攻め滅亡させた。その際に岩城勢の陣城となったとも伝えられ、岩城氏と岩崎氏の抗争の中にあった城と考えられる。