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秋田県能代市柳町

震災前取材

この建物は旧料亭金勇で、昭和初期に建てられた純和風の木造建築である。平成10年(1998)、国の登録文化財に指定されている。現在無料公開されており、茶会や展示会などのイベント会場として利用されている。また一部の広間は有料で貸し出しされている。、

金勇(かねゆう)は、明治23年(1890)に料亭として創業され、昭和12年(1937)、本館として現在の建物に立て替えられた。能代は、米代川流域で生産される秋田杉の集散地であり、「木都」として栄えた。この建物も、その天然の秋田杉を豊富に使用しており、木都能代の象徴的な建物である

建物は、七つの入母屋造りの屋根の重なりあった木造二階建てで、庭園を有する。延床面積1565m2。土地3356m2。建築にあたっては、木材加工技術のアピールもかね後世に残るような、木都能代を代表する建物にしたいとの意向があり、選び抜かれた材木と日本建築の技巧が随所にみられるものとなった。

料亭金勇は、長く市民の商談や会合の場として使用されてきたが、平成20年(2008)料亭は廃業した。その後、建物の保存を求める動きが高まり、また金勇の意向もあり、建物と敷地が能代市に寄贈された。