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秋田県仙北市西木町桧木内字相内潟
2016/09/24取材
室町時代に熊野権現を信奉する巡錫の修験者がこの地に来たリ、湖岸の畳のごとくに平坦な岩頭に座し、龍神があやつる不思議な力を体得しようと修行し、一祠を創建したのが始まりとされる。龍湖姫神を祭神としており、また背後の高鉢山鏡石やかなえる岩などの巨石伝説があり、古代の龍神信仰と熊野信仰が混交したものと考えられる。
爾来霊験あらたかで、雨乞いでは雨乞い石に手を触れると、湖は荒れ狂い雷風雨を呼ぶとされ、また湖水に斎戒沐浴し龍神を信仰すれば、美貌を備えることができると伝えられる。
湖畔の平坦な石は、秋田藩二代藩主佐竹義隆が、慶安年間()参詣した時この石に座したことで「御座石」と呼ばれるようになり、御座石神社と呼ばれるようになったと伝える。
文化8年(1811)、名君として名高い九代藩主佐竹義和が参詣の折、湖上に舟を浮かべて白浜に向かう途中、天候が激変し、大波が逆巻き、雷鳴がとどろき、大雨が降り注いだ。
このとき、家老の疋田松塘はその場で「雷神を鎮める申渡条」をしたためて舳先に立ち、龍神に向けて大声で読み上げた。すると不思議にも雷雨はピタリと止んで晴れ渡り、湖面は元の静けさを取り戻したという。