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宮城県名取市愛島小豆島

愛島は「めでしま」と読む。この地名は比較的新しく、明治22年(1889)に定められた。

江戸時代、この地には、「北目(きため)」、「塩手(しおで)」、「笠島(かさしま)」、「小豆島 (あずきしま)」という村があった。これらの村が合併 するとき、それぞれの村の名前から、「きため」の「め」、「しおで」の「で」、「かさしま」「あずきしま」の「しま」をとって「めでしま」と決めたと云われている。

 

・おたたかじょぽっとさけた

この地には次のような伝説が伝えられている。 昔、この地の山奥に、3人の兄弟が住んでいた。兄弟は山で毎日山芋を掘り、それを町へ持って行き、米と交換して毎日の暮らしをたてていた。

ある時、兄が山へ出かけていった後、弟と妹は朝飯に山芋を煮た。出かけた兄には山芋のおいしいところだけを残し、自分たちはあまりおいしくない部分を食べて昼寝をしていた。そこに出かけた兄が帰ってきた。見ると、おいしそうに煮えた山芋が鍋に残っていた。弟と妹が、わざわざ、おいしいところだけを兄のために残していたことも知らず、逆に、「こんなにおいしそうなところが残っているということは、弟や妹はさらにおいしいものを食べたにちがいない」と疑い、寝ている弟たちの腹を包丁で裂き殺してしまった。

しかし、腹から出てきたのは芋の悪いところだけだった。 兄は驚いたがすでに手遅れで、神様はこれを許さず、兄に天罰を与えた。神様は、「お前は鳥になり、1日に8千と8声鳴いてくらせ」と鳥にされてしまった。 それからは、鳥にされた兄は、毎日、愛島の山奥で、「おたたかじょぽっとさけた、おたたかじょぽっとさけた」と、口の両脇から血を吐きながら鳴いているのだという。