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宮城県多賀城市市川字城前

震災前取材

 

この碑は、多賀城の南門跡のすぐ近くの古い覆屋の中に、ひっそりと立つ。高さ約2m、幅94cmの古碑は、江戸時代初期に土中から発見され、仙台藩が歌枕の「壷碑(つぼのいしぶみ)」であるとして名所にした事から一躍脚光を浴びた。

碑文には,平城京や各国境からの距離と、多賀城の創建、修造に関する記事などが141文字で刻まれているが、歌枕「壷碑」との関連性がないことから、明治以降に真贋論争が巻き起こった。

しかし近年、宮城県多賀城跡調査研究所の調査により奈良時代に建立された真碑であることが確認され、平成10(1998)年に国の重要文化財に指定された。これにより碑文は史実であり、多賀城碑は名実ともに、栃木県の「那須国造碑」、群馬県の「多湖碑」とともに日本三古碑となった。