岩手県野田村

2012/04/01取材

北リアス線は、岩手県宮古市の宮古駅と久慈市の久慈駅とを結ぶ三陸鉄道の鉄道路線で、全列車、ワンマン運転である。

震災前の運行形態は、宮古 – 久慈間を往復する各駅停車が中心で、山田線、南リアス線を通って盛駅まで直通する列車が1日1往復設定されていた。季節によってはレトロ調車両やお座敷車両「さんりくしおかぜ」での運転もあった。

明治三陸大津波等で大きな被害を受けていたため、全線の大半をトンネルとするなど津波を想定したルート設定がなされていた。平成23年(2011)の大震災による津波により、路線各所が大小の被害を受けたが、それでも津波を考慮したルート選定が幸いし、被害箇所は5箇所、延長にして5.8kmと局所的であったため、その後の復旧はルートの変更無く行われることとなった。

また、ディーゼル車であったことが幸いし、震災後の停電中でも自家発電を行なえ、震災直後の連絡拠点や対策本部的な役割も担った。さらに三陸鉄道社長の英断により、制限された中ではあったが、震災の5日後には一部区間で運転を開始、「震災復興列車」として3月末まで運賃無料で運行し、地元の足としての意地を見せつけた。

NHK朝のテレビドラマ「あまちゃん」では、この北リアス線が「北鉄」として描かれ、毎朝、テーマソングとともに列車からの風景が流れ、また震災当日の様子は一つのクライマックスとして描かれていた。