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福島県只見町

震災前取材

  • 只見界隈
只見町は、会津若松市の南西に位置し、新潟県と境を接する。只見川の渓谷を新潟の魚沼に向かい国道252号線とJR只見線は、多くのトンネルと橋、鉄橋、無数のスノーシェッドを通り抜け只見町にいたる。 水と山に囲まれた風光明媚な地で、そこには失われつつある日本の原風景ともいえるものがふんだんにあるが、よく見れば、厳しい自然環境の中でのこの地の人々の戦いの痕跡もいたるところにある。日本有数の豪雪地帯で、豊富な雪解け水を利用して、現在は水力発電の基地となっている。

只見は古くは養蚕、塩の生産などをその産業としていた。第二次世界大戦後、只見川の電源開発が急速に進み、ダムが町の名物になっている。田子倉ダムが建設されていた昭和30年代前半は、只見町はダム建設に沸き、建設作業員、及びそれを支える飲食店関係の人々を含めた人口は3万人を越えていた。この当時、只見町は市制施行へと一気に機運が盛り上がったが、ダム建設終了と共に人口は減り、現在は5000人ほどとなっている。

JR只見線が、町の東から西に走り、典型的な赤字線であるが、冬季の豪雪のため、国道252号線は新潟県境で閉鎖されるため、この地域から新潟に抜ける唯一の交通手段になっている。昭和40年代後半頃まで蒸気機関車C11による貨物列車が運行されており、駅構内には蒸気機関車の進行方向を切り替える人力による転車台が残されている。また、近年は観光のためにSLが臨時運行され、多くのSLファンを惹き付けている。