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小野観音堂付近に古碑があり、この地に伝えられる伝説の中の、朝日長者の墓と伝えられている。
福島県下郷町湯野上字居平甲…観音堂境内
震災前取材
朝日長者は、小野岳の山頂に屋敷があり、そこに居し、この地一帯を治めていたとされる。「 古今和歌集」の中の三十六歌仙としてその名がある、猿丸太夫の祖父にあたると伝えられる。
この地に流れてきた有宇中将と、朝日長者の娘の悲恋の伝説が伝えられ、その間に生まれたのが猿丸太夫とされる。
この地の伝説の元は、「日光山縁起」と思われ、二荒山神社の神職小野氏の祖であるとも考えられる。
朝日長者の屋敷があったという小野岳の山頂は、標高が1300mを超える古くからの信仰の山で、屋敷があったとは到底考えられないが、空を飛ぶ役の行者のような伝説の時代のものとして考えるのが妥当である。この地の墓石や朝日長者の伝説も、「日光山縁起」に、この地の中世から南北朝期の史実が加味されたものと考えられる。