福島県本宮市本宮字蛇の鼻

 

本宮市の蛇ノ鼻に「蛇ノ鼻遊楽園」があり、この一帯がかつては「矢ノ花」と呼ばれていた。

平安時代後期の前九年の役の折に、源義家の軍がこの地に来たとき、敵に囲まれ激戦となった。そのとき義家は、四方の敵に矢を放ち、それが花のように見えたことから「矢ノ花」と呼ばれるようになった。

その後、玉井村(現大玉村)と本宮町に分割された際、玉井にはこの「矢ノ花」と言う地名が残ったが、本宮ではその地名と区別する必要があった。

この地の遊楽園の裏手になる大名倉山には、天明年間(1781~89)山を七周り半もする大蛇が住んでいたと伝えられ、この地はその山の「鼻」にあたることから、「蛇ノ鼻」と呼ばれるようになったと云う。

この地の遊楽園は花の名所で、5万本のチューリップ、100mの藤棚、霧島つつじ、ボタン、スイレンなど四季折々に咲き、園内には日本建築の粋を集めた「蛇ノ鼻御殿」がある。