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福島県いわき市遠野上遠野字根小屋

 

円通寺は大同2年(807)、徳一上人の開基と伝えられ、永享12年(1440)、真言宗の宥徳上人により再建された。

この地の豪族上遠野大炊頭の庇護を受けたと伝えられ、この寺の境内のある地は、上遠野城の大手口にあたると思われ、上遠野氏との密接な結びつきが推測できる。

江戸時代には、三代将軍徳川家光より、御朱印三十石、朱印状七通を賜った。また、末寺28ヶ寺を有し、この地方きっての檀林寺(学問寺)でもあった。

本尊の聖観音菩薩像は室町時代の作で、東北地方にも2、3体しかないと言われる垂下様式の作りになっており、桧の寄木造りという高度な技術を持って作られた貴重な仏像である。高い宝髻、面相、耳朶の薄い造り、台座などはその時代の特徴を示しており、福島県の県重要文化財に指定されている。また、半迦地蔵菩薩はいわき市指定文化財である。