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宮城県南三陸町歌津字菅の浜

震災前取材

昭和45年(1970)、現在の南三陸町歌津の館浜海岸で魚竜の化石が発見された。その後の調査研究により、この化石は中生代はじめの三畳紀(約2億4200万年前)の地層から出土したことがわかった。これは魚竜の中でも古い時代のもので、和名は「ウタツギョリュウ」、学名は「ウタツザウルス」と名付けられ、化石は国の文化財に指定された。魚竜としては比較的小型で、体長は2m足らず、頭骨は小型で、骨の形からもウタツギョリュウは魚竜の中でも最も初期的な形態を持っていることがわかった。

魚竜は、大型海棲爬虫類でイルカに似ており大きい歯を持っていた。中生代の大部分にわたって生存していた。約2億5千万年前に、恐竜よりやや早く出現し、恐竜より約2500万年早く絶滅した。三畳紀前期に、魚竜は陸上の爬虫類が進化して水棲になった。ジュラ紀に特に繁栄したが、白亜紀になるとその地位を首長竜に取って代わられた。

南三陸町歌津の魚竜館は、発見された魚竜化石の上に建てられた全国でも珍しいミュージアム。館内には、国指定天然記念物のウタツザウルスの化石やジオラマが展示されている。また、ドイツで発見されたイクチオザウルスの化石やイタリアから取り寄せたベザノザウルスのレプリカなど、世界の魚竜化石も常時展示されている。

※2011年の大津波により破壊された。