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宮城県気仙沼市波路上岩井崎

震災前取材

昔、この岬は波の下に見え隠れする危険な岩礁の存在により、舟にとっては危険な岬で地獄崎と呼ばれていた。しかし、伊達藩五代当主、伊達吉村が巡行の際、この景観を愛でて、「祝崎」に改められた。 その後、安政元年(1854)、仙台藩十三代藩主伊達慶邦がこの地を巡視したときに、その歌の中で使われた文字「岩井崎」が今日の地名になったと伝えられる。

この岩井崎は、陸中海岸国立公園の最南端に位置し、対岸の大島、竜舞崎とともに、気仙沼湾の海岸美を代表する岬。2億年前のサンゴや有孔虫の化石を含んだ石灰岩が波に洗われ、ギザギザに侵食されて、現在の奇観を形成した。長い年月の間に、波が石灰岩を貫通した岩穴が随所にあり、波の打ち寄せ具合によって大小様々な水柱が立ちのぼる「潮吹き岩」も存在する。

広い芝生の園地があり、一角には灯台や、この地出身の第9代横綱「秀の山雷五郎」の銅像が遠く江戸を見すえて建っている。