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宮城県気仙沼市赤岩上羽田

震災前取材

羽田神社は、奈良時代の養老5年(721)の創建であるといわれ、また大同元年(806)、坂上田村麻呂の建立とも云われている。中世に入り、建久3年(1190)、源義経に従った尾形三郎惟義により再興されたと伝えられる。

この神社には、国の重要無形民俗文化財に指定されている行事の「山がけ」がある。

「山がけ」は、江戸時代から約400年も続く伝統行事である。新生児が健康に成長することが難しい時代、「七つまでは神の子」といわれ、生まれてきた子供は神からの預かりものとして育てられた。7歳という年齢は、幼年期から少年期への変節期であり、「山がけ」は、初めて社会の一員として認められるための通過儀礼として行われてきた。

「山がけ」は、羽田山に祀られている、月山、早馬、羽黒の三社権現、その他の社を拝しながら、山頂の奥の院を目指す。一時間以上にも及ぶその行程には、父親の同行は許されず、親族等の付き添いにより登拝する。山中は女人禁制であるため、女子の祈願は本殿にて行われる。