岩手県西和賀町湯田

2011/08/01取材

 

  • 湯本温泉界隈

 

湯本温泉は、奥羽山脈の分水嶺近くに位置し、和賀川の渓流に沿って位置する湯田温泉郷にある最も古くに開湯した温泉である。

 

その開湯は万治元年(1658)とされる。秋田仙北の猟師が狩をしていたとき、一羽の鶴を弓で射た。矢は鶴に当たったが、傷を負いながらも鶴は逃げ去った。

猟師はさほど遠くまでは飛べないものと、飛び去った方に傷を負った鶴を追っていくと、鶴は温泉の岩場で羽の傷を癒しているのを見つけた。見ている間に鶴は羽の傷が癒えたようで、大空に飛び去り、鶴の湯が発見されたと云う。

藩政時代の記録には、その他に「田中の湯」「岩根の湯」「走の湯」「岩中の湯」「泥の湯」の名を残しており、多くの人々に利用されたようだ。