岩手県八幡平市柏台

2016/09/25取材

昭和28年(1953)に発掘調査されたこの遺跡は、縄文末期の環状列石遺跡である。中央のものは直径12mもある大型なもので、その中央には火を炊いたあとがある直径1.5mの石囲いがある。北側には縦横2mの石を敷き詰めた祭壇状の張り出しがある。

この祭壇状の石敷きに立ち真南を見ると、中央部の石組みの延長上に岩手山の山頂部が見通せ、岩手山を神聖なものとする自然崇拝があったとも考えられる。

さらに周囲には、衛星のように直径3m程度の小型の環状列石が配置されており。少なくとも大小7基の環状列石が確認された。環状列石の周囲には住居跡が発見され、縄文晩期の土器、土偶、土版、石版、石器などが発見されている。

現地は埋め戻され松林になっているが、すぐ近くの公園に復元設置されている。

この岩手県北部から鹿角にかけて、大小の環状列石遺構が発見されており、また他にも、青森県や秋田県北部、北海道では渡島半島を中心に発見されている。血縁、地縁をもった氏族の連合が40~ 50キロメートルほどの距離をおいた領域を占有し、その中心に祭の場を築造したのではないかと考えられている。