2015/04/16取材

福島県天栄村大字牧之内字京谷原

  • 湧井の清水
この地の清水は、湧水量毎分2200ℓ、面積約500㎡とされ、日照りで降雨の少ない気候でも水量に変わりない。

その昔、成務天皇のころ()、この沼に住む大蛇が、水を湯の如く熱し、人々に害を与えるので、この地を治めていた石背国造初代の、建美依米命(たけみよりめのみこと)がこれを憂え、湧湯御前神社を祀り、人々の平和を願ったと伝えられる。

江戸時代には、この沼は雨乞いの霊地となっており、慶安元年(1648)の大旱魃のときに、それを聞いた白河藩主の榊原忠次の命により、領民救済のための大祈祷が行われた。また宝永元年(1704)の旱魃の際にも、当時の藩主松平基知が祈祷を行わせた。

そのようなことからか、この清水は信仰の対象ともなっていたようで、この池で魚を獲ったり、池をかき回したりすると、洪水になると伝えられ、恐れられてもいた。