岩手県花巻市東和町谷内

2017/05/14取材

別名:胎内石

 

この巨岩は、丹内山神社本殿の奥にあり、高さは3m以上もあるアラハバキの磐座である。丹内山神社は、坂上田村麻呂が延暦年間(782~805)の東夷征伐の際に参籠したと伝えられ、それ以前からすでに蝦夷の信仰の地だったと考えられており、東夷征伐の後、田村麻呂はこの神を恐れ、同じ東和にこの神社を睨むように毘沙門天を祀ったと伝えられる。

この磐座は、巨岩に小さめの岩が倒れ掛かるようになっており、その隙間をくぐり抜けることができれば、安産、交通安全、商売繁盛、受験、就職などにご利益があるとされ、特に壁面に触れずにくぐり抜けることができれば大願が成就すると伝えられる。

アラハバキ神は、現在も諸説あり確定されていない神だが、蝦夷や古代人により崇拝されていた自然崇拝の対象だったと考えられる。その後、中央勢力の進出と山岳宗教の台頭の中に呑み込まれていったものと思われる。