岩手県八幡平市24地割

2013/06/10取材

  • 焼走溶岩流へ

焼走り熔岩流は、岩手山の北東斜面山腹から山麓にかけ、標高約550-1200mに広がり、およそ4km、150haに広がっている。岩石の種類は「含かんらん石紫蘇輝石普通輝石安山岩」である。一般的に輝石安山岩溶岩は粘性が大きいが、焼走り熔岩流の溶岩は粘性が小さく流動性に富んでいると言われている。

岩手山は貞享3年(1686)から昭和9年(1934)の間に複数回、爆発と熔岩流噴出が記録されている。しかし焼走り溶岩流は、山頂部の噴火活動とは違い、中腹部にできた噴火口から流出したものであり、享保4年(1719)、あるいは享保17年(1732)に流出したものである。

この溶岩流を作った噴出口は、岩手山の東側山腹の標高850mから1250m付近まで直線状に複数個所ある。真っ赤な熔岩流が、山の斜面を急速な速さで流下するのを見た当時の人々が「焼走り」と呼んだことにより、今も「焼走り溶岩流」と呼ばれている。

焼走り熔岩流は、噴出時期が比較的新しいため風化作用が進んでおらず、その表面には未だに土壌が形成されていないことから植生に乏しく、噴出当時の地形を留めている。この地形的改変がないのは学術的に貴重であり、昭和19年(1944)に国の天然記念物に指定され、昭和27年(1952)には特別天然記念物に格上げされている。

今日では熔岩流末端に片道約1kmの観察路が設けられており、積雪で閉鎖される冬季以外は自由に見学することができる。また散策路の終点には、当地を訪れた宮沢賢治による詩、「鎔岩流」の碑が建てられている。

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