岩手県野田村野田

2012/03/31取材

 

 

 

野田港に突き出た、古第三紀凝灰岩の、地層の縞模様が美しい断崖が大唐の倉である。

その昔、平重盛の二人の子と、宋の高僧珊光国師を乗せた船が漂着したと伝えられている。

平重盛の子の上総太郎は、源平の戦いの前に、父の命により大宋国霊隠寺へ遣わされた。ところが宋国より珊光国師を伴い日本に帰国した時には父はすでに没し、源平の戦いも終わり平氏は没落していた。

太郎は、弟の相模次郎とはかり、一時北へ逃れることとし出航したが、海上難風に遭いこの地に漂着した。その後上洛の機会をうかがえども果たせずに、珊光国師はこの地に小松寺を開き、上総太郎、相模次郎ともにこの地に定住したと云う。この地には上総太郎、相模次郎を祖とする子孫が残っていると云う。