岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字神成

2016/04/08取材

龍泉洞は、全長は2.5km以上とも5km以上とも言われており、平成成24年現在で3.6kmまで確認されている。水深98mの第3地底湖、120m以上ある第4地底湖等、全部で7つの地底湖を持っている。また龍泉洞の水は、世界でも有数の透明度を誇っていることでも有名である。

 

・龍泉洞の起源伝説

 

ずーっと昔、あるとき、いきなり宇霊羅山(うれいらさん)麓から、シュー、シュー、シューと変な音が聞こえだした。何の音か、その音は、だんだん大きくなるばかりで、一向に止みそうにない。昼も夜も、シュー、シュー、シューと鳴り続けた。

村人たちは、だんだん心配になってきて、「宇霊羅山が噴火するんじゃないか」と言う人もいれば、「この世が、壊れるんじゃないか」と言う人もいて、仕事も手につかない。物識りにみてもらったり、山伏や巫女さんにご祈祷してもらったりと、右往左往の大騒ぎになった。

その恐ろしい音は、七日七晩も続いた。そうして最後に、シューッ、シューッ、シューウウウッと特別に大きな音と一緒に、岩山を割って、なんと大きな龍蛇がとび抜け出てきた。龍蛇はたちまち天にかけ昇り見えなくなってしまった。

すると、龍蛇のとび抜けたあとは洞になり、美しい泉がこんこんと湧き出した。泉は冷たい水で、飲んでみると、非常においしい水で、村人らみんなが大変喜んだ。