岩手県花巻市東和町谷内

2017/05/14取材

 

旧小原家住宅は、岩手を代表する曲屋で、人が住む「母屋」と、家の中で馬などを飼っていた「厩」で構成されている建物。南部盛岡藩では馬産が盛んに行われており、いわゆる「南部曲屋」が一般的な農家の形態になった。

江戸中期の1750年頃に建てられたものとされ、「厩」部分が小さいことから、曲屋としては古いタイプになると考えられている。そのほか外回りに壁が多く、上屋根の柱が太くこのあたりにある地域の民家の特徴がよく表れている。曲屋がどのようにしてできたかがわかる貴重な資料として国指定重要文化財に指定された。

正面L字の開口部が玄関口土間、左手突き出し部が厩で、右側主屋根部が居住区域。葺き下ろしの主体部茅葺き屋根と、突き出し部の妻屋の調和が美しい。桁行16.3m、梁間9.6m、南面突出部 桁行5.8m、梁間5.7m、寄棟造、茅葺

前回紹介の千葉家曲り屋などとは比ぶべくも無いが、あれは特別、この旧小原家住宅が曲がり屋としては標準サイズなのだろうか・・・・。

 

旧小原家については明確な資料はないが、この地方は中世の和賀氏との関連が深く、その和賀氏の「四天の重臣」の一人に小原氏がおり、その流れとも考えられる。