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宮城県白石市小原字上台…材木岩公園内

この建物は、平成5年(1993)まで、白石市小原の上戸沢に所在した旧検断屋敷木村家の主屋を、材木岩公園に移築復原したもの。

上戸沢の町は、江戸時代には「山中七ヶ宿通」と言われ、奥羽13の大名家が往来した七ヶ所の宿駅の一つで、木村家は代々上戸沢の検断役を勤めた家である。

上戸沢は、百姓と足軽組など併せて30戸前後の住人で構成され、伝馬、輸送の業務に当たった。 検断は町場に置かれ、伝馬、宿駅関係の一切の仕事を統括する重要な職務だった。

上戸沢には大名の宿泊する本陣は置かれなかったが、木村家は、本陣に準ずる宿泊、休憩所としての役割をもたされ、町の伝馬問屋の仕事も兼ねていた。

 

・折り紙の離縁状

木村家住宅を解体したとき、襖の下張りから『折り紙の離縁状』と呼ばれている文書が発見された。この時期の離縁状は、『三くだり半』と言われるような短いものが一般的だったが、この離縁状は14行にもなるもので、妻側から婿養子にあてたもので、藩政時代の女性の地位は、現在考えられている以上に高かったとも考えられる。