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宮城県大崎市三本木字大豆坂

震災前取材

大豆坂地蔵尊は、明和2年(1765)建立奉納された。当時、三本木村の某が由ありて死刑に処せられた。その霊を弔うため、大光寺の和尚が、仙台八幡町の石匠に依頼し、広瀬川の巨石で彫刻させた。当時の肝入たちと相談の上、仙台より運び大豆坂の地まで来たところ急に進まず、運ぶことができなくなった。そのためやむを得ずこの地に祀った。

明治天皇の東北巡幸の際、外観をはばかり仏像をその場に倒し、一時目を忍んだ。さらに明治14年(1881)の巡幸の際には、一時別の地に移したが、その時重さが増し、搬送には困難を極めたと云う。また、その年には村内に悪疫が蔓延し、多数が死亡したと伝えられる。

その後、信仰深い村の老婆の夢枕によるお告げで、再度この地に移した。その時は、搬送容易にし、また悪病たちどころに治まり、村内は平穏になったという。

以来、この地蔵尊の信仰は俄かに高まり、近隣在郷はもとより、遠く県内各地よりの参詣者は後を絶たず、今も多くの人々の崇敬を集めている。